子育てをしているお母さんたちの悩みの中でよくある原因の一つが、他人との比較をしてしまうことによるものです。これはお母さんに限らず、多くの人の悩みの原因の中で最も多いものです。
しかし、他人との比較による満足を追い求めた先に、本当の幸せはありません。本当の幸せは、自分の心の中にしかありません。その事を親子で理解する必要があります。
私はなぜこんなに他人と比較してしまうのだろうと悩んでいる皆さん、安心してください。それは、人間の心理が、生まれながらに持っている欲求であるというデータが出ています。あなただけがそうではないですし、あなたが悪いわけではありません。人間なら、そんな時があっても当然なのです。
1954年、社会心理学者のレオン・フィスティンガーが提唱した『社会的比較理論』によると、人は、自身を正確に評価するために、他人との比較をする衝動を持っていることが言及されています。つまり、人は生まれつき他人と比較してしまうことが心理学的に当然だということです。
他人と比較してしまって、羨ましさや劣等感を感じてしまうことが人にはあります。まるで自分よりも才能や生まれ持ったものが違うと思ってしまったりもします。しかし多くの場合は、思い込みの部分も大きいのです。遠くから見ているからこそ、いい部分しか見えていなかったりするものです。
他人との比較を目的とすることは、多くの場合不幸しかもたらしません。
社会的比較に基づくような目標は、比較対象の上限がないため、いつまでも心の満足のコップを満たすことができません。また、社会的比較をすると、繊細な人ほど劣等感・苦悩を感じてしまい、自尊心の欠如に繋がります。
そしてSNSの影響も無視できません。SNS上では、ただの自慢大会になっている投稿も少なくありません。それによって、劣等感を感じる時がある時は、SNSを開く頻度を減らすべきです。SNS上の付き合いよりも、リアルな繋がり、身近な人間関係を大切にしましょう。
他人との比較をやめるためには、自分のマインドを変えるほかにありません。「他人と過去は変えられない、変えられるのは、自分と未来」だけです。
子育てをしていれば特に、なぜうちの子はまだこうなのに、同い年のあの子はこうなんだろう、と感じることが、誰しもあります。子育ては、誰しも初心者です。特に一人目の子なら、悩みはつきません。
幕末の志士、坂本龍馬と言えば、誰もが知る歴史上の日本の偉人ですが、なんと9歳まではオネショをしたり、泣き虫で落ちこぼれだったと言われています。
しかしその一方で「オネショが治らない子は大物になる可能性を秘めている。」というデータもあります。武蔵野学院大学・澤口俊之教授によれば、ある調査では前頭前野(知性を司る)は幼少期の発達が遅いほど、成長した時、より高度に発達することが分かっているそうです。つまりオネショが治らない子供は成長するにつれ、知性が高くなる可能性がある。ということです。
坂本龍馬のような偉人でも、オネショをしていて、子供時代は泣き虫で勉強もできない落ちこぼれだったという説を知ると、人の成長速度はそれぞれだということがわかります。
幸福度の高い人々は、他人の成功から喜びを感じることができ、他人の失敗を目の当たりにしたときは心使いをすることができるという研究結果があります。
このような考え方を「豊かさマインド」と呼んでいます。逆に、他人の成功が憎たらしく、他人の失敗を知り喜んでしまうような感情は、「欠乏マインド」と呼びます。豊かさマインドを持つことが、心の幸福に繋がります。
それを夢みることができるならば、あなたはそれを実現できる。
これは、ウォルト・ディズニーの言葉です。子育てに大切なマインドは、「どのような子育てをしたら良いのだろう?」ではありません。
大切なのは、「お母さん自身が、どんなお母さんであるべきか?」です。そして、どんな背中を、どんな笑顔を、子供に見せながら生活を送るか、なのです。そのために必要なのが、親子共に「夢を持つこと」です。
お子様は、どんな夢を持っていますか?お子様が夢を持っていたら、ぜひ、一緒に応援してあげてください。なくても、焦ることはありません。子供の成長速度は、それぞれなのですから。時には手伝いをしながら、暖かい目で見守ってあげてください。
そしてお母さんは、どんな夢を持っていますか?答えは、ご自身の心の中にしかありません。あれば、一緒にお子さんとお話してみてください。きっと大人になっても記憶に残る、いい経験になるかもしれません。