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子どもの味覚は離乳食によって形成されます。とくに日本の伝統食である「だし」の風味を生かした離乳食を食べさせることで乳幼児期に「だし」の風味を覚えた子どもは、将来的にも「だし」を使ったヘルシーな和食を好んで食べるといわれています。
離乳食期から健全で豊かな食習慣を身につけることで、健康な体作りに繋がるのです。
何かと忙しい現代のお母さん。様々なメーカーからベビーフードが発売され、種類が充実していることや、手作りの離乳食よりもベビーフードのほうが手軽でよく食べてくれることから、ついついベビーフードに頼りがちになってしまうお母さんも多いのではないでしょうか。
しかし、離乳期は、母乳やミルク以外の味に初めて触れる大切な時期。だからこそ食材の持つ本来の味を体験させてあげてほしいのです。
そこで重要な役割を果たしてくれるのが「だし」。
本物のだしはそれ自体に旨味があるだけではなく素材の持つ味を引き立ててくれます。
だしによる旨味体験は離乳期の赤ちゃんにとって、とても重要です。味覚の基本がゆらぐことなく一生ものの「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「旨味」この5つの味覚を身につけることができます。
特に生後から乳児期は味の違いを認識する「味蕾」と呼ばれる、食べ物の味を感じ取って脳へ伝達する大切な器官の数は、30~40歳の成人の3倍もあります。
その時期に日本食の要である「だし」を使った離乳食を食べさせることで「旨味」という繊細な味の違いがわかる味覚を形成することができるのです。
離乳食を食べやすくするためにも重宝する「だし」。だしを使うと灰汁の強い野菜は、だしの旨味で苦味などが感じにくくなり食べやすくなります。
特に、だしの中でも「昆布だし」の旨味成分であるグルタミン酸は、母乳の成分にも豊富に含まれるので赤ちゃんは大好きな味なのです。
現代社会は様々な食べ物にあふれています。生活習慣病のリスクを伴うハンバーガーやピザ、フライドポテトといった高カロリー食に炭酸飲料の組み合わせが幼いころからの食習慣によってやめられない人も少なくないことと思います。
しかし、子どもの将来を考えて、大人世代がもっと和食やだしの旨味の美味しさを見直しそれを離乳食に取り入れて、子どもが健やかに成長できる環境を整えてあげましょう。
消化器官の働きが未成熟な乳幼児には濃い味付けのものは内臓に負担がかかります。離乳食はだしをベースに素材の味を活かした調理方法がベスト。
食べることに慣れていない赤ちゃん。胃も小さくたくさん食べられません。そんなときは1回使いのだしがあると便利です。まとめて作って製氷皿で小分けにし冷凍しておきましょう。
食べ物の味は複数の味を組み合わせることで相乗効果をもたらし、よりおいしくなります。だしも同じことが言えます。昆布とかつお節のだしは「旨味」がつよくなり、昆布と干し椎茸のだしは「甘味」が強くなります。このように合わせだしにするのもおすすめです。
子どもの感じる「おいしい」は味覚だけではありません。ママと一緒だから楽しい!褒められたからうれしい!は「おいしい」につながります。
家族みんなで食事をする機会を心がけること、“おいしいね!”“食べられたね!”といった言葉のコミュニケーションを大切にすることなど、食事は楽しいものであることを教えてあげることも大切です。おいしいだしとともに楽しい食の経験をさせてあげましょう。
子どもの味覚の形成と強いからだづくり、健全な成長は離乳食が決め手です。
0歳からぜひみなさんもだしを積極的に取り入れてみてください。
<引用・参考>