体調が悪いわけではないのに、なんだかダルい、仕事に集中できない。小さなことに対しても、すぐにイライラしてしまって、そのストレスで暴飲暴食してしまう。これらの原因は、実は自律神経の乱れにあるかもしれません。
自律神経とは、体の司令塔のようなもので、心臓の動き、呼吸、食べたものの消化、血液の循環などの活動を無意識でコントロールしている、24時間働き続けているシステムです。
交感神経と副交感神経があり、それぞれのバランスを損なうことを「自律神経の乱れ」と呼ばれています。不規則な生活や精神的、身体的ストレスにより自律神経が乱れると、身体の器官などに支障をきたします。バランスを保つことが心身の健康を保つ秘訣と言われています。
交感神経心身のアクセルの役割をしており、活動時や昼間になると活発化します。交感神経が優位になると、血管が収縮して心拍数も増加、活動的な状態になります。逆に活発化し過ぎるのは、心身の休息が取れていない状態のサインです。現代人に最も多い傾向で、頑張り過ぎで、しかし結果が伴わずイライラ、ピリピリしてしまう状態です。
交感神経のアクセルが優位になると、血流が良くなく、免疫力も低下して病気等も招きやすくなります。心身ともに疲弊して無理に頑張っていても、なかなか結果に結びつかないですよね。
副交感神経心身のブレーキの役割をしており、安静時や夜間になると活発化します。副交感神経が優位になると、血管は拡張して心拍数は下がり、リラックスした状態になります。
逆に活発化し過ぎると、仕事のスイッチが入らず、のんびりした状態になります。現代人の7人に1人はこの状態にあると言われています。休めてはいますが、アクセルの踏み込みが良くないので、のんびり状態になってしまいます。このような時は注意力も低下し、ミスも起こりやすくなります。うつ病に陥りがちな傾向もあります。
体の各部位の状態は、交感神経優位の状態の時と、副交感神経優位の状態の時で変わります。
交感神経(アクセル) | 自律神経 | 副交感神経(ブレーキ) |
速い | 心臓(脈) | 遅い |
縮む | 血管 | 拡がる |
高くなる | 血圧 | 低くなる |
拡がる | 瞳孔 | 縮む |
動かない | 腸 | 動く |
拡がる | 気道 | 狭まる |
出る | 汗 | 出ない |
緊張 | 筋肉 | 弛緩 |
速くなる | 呼吸 | 遅くなる |
乱れる | 内分泌 | 安定 |
悪い | 血流(全身) | 良い |
このように、体内のあらゆる生命活動を支えているのが、自律神経です。
日々の習慣が大きな影響を与えます。仕事などを頑張り過ぎるオーバーワーク、プレッシャーなどによる不安、職場の人間関係など、様々な要因が挙げられます。また、生活リズムが不規則だと自律神経は乱れがちです。昼夜逆転生活や不規則な習慣は変えていきましょう。
食品添加物や身体の歪み、蛍光灯やブルーライトなども乱れの原因となります。本来自然界になかったものが現代社会には溢れているためです。辛い出来事や、悲しい出来事などがあった時にも注意が必要です。自分なりにリフレッシュできる方法を見つけましょう。
悪循環にハマるパターンストレス → 筋肉や血管の収縮 → リンパの流れ悪くなる → 疲労物質が溜まる → 疲労 → ストレス → ….のエンドレス
トラブルやストレスがきっかけで、悪循環にハマった時は自分なりのストレス解消を!!
自律神経の乱れによる代表的な疾患である自律神経失調症。多くの場合は、過剰な精神的、または身体的ストレスをコントロールできないために引き起こされます。吐き気や多汗、倦怠感、頭痛、不整脈、めまいや不眠症など、人によって症状の表れ方が異なるのが特徴です。
自律神経失調症の症状
神経性胃炎や、過敏性腸症候群など胃腸に関わる疾患も引き起こします。気分が塞ぎ胸焼け、胃のもたれなどの一時的な症状から、慢性的な下痢や便秘なども起こります。
過呼吸を引き起こすこともあります。運動競技により起こる症状とは違い、精神的な原因による過換気症候群と呼ばれます。四肢の痺れ、動悸、目眩等が起こります。
更年期障害は、女性ホルモンの分泌が急激に減ることで自律神経が乱れ、めまいや肩こり、頭痛、耳鳴りなど、人による症状は異なります。
うつ病は一言で説明するのは大変難しい病気ですが、脳のエネルギーが欠乏した状態であり、それによって憂鬱な気分や様々な意欲(食欲・睡眠欲・性欲)などの低下といった心理的症状が続くだけでなく、様々な身体的な自覚症状伴うことも珍しくありません。
つまり、エネルギーの欠乏により、脳のシステム全体のトラブルが生じてしまってる状態と考えることもできます。うつ病では常に交感神経スイッチが入っており、全身に力が入り深呼吸ができない、また息苦しさを感じ非常に疲れやすくなる。
あるうつ病患者は交感神経と副交感神経のバランスが94対6でほとんど副交感神経が使われていない状態でした
うつ病の症状
自律神経は、交感神経と副交感神経のバランスが重要です。健康になるだけでなく、集中力も上がるので、仕事や勉強などのパフォーマンスが上がります。元気でいて仕事や人間関係が良くなればそもそもストレスも貯めにくくなりますよね。自律神経を整えることによって、生活に良い循環を生み出すことが一番大事です。
また、過度の緊張なども良くありません。体調を崩したときや、精神的にショックな出来事があったとき、焦りや不安から逃れたいとき、日々の生活をしていればいろいろなストレスに感じることがあるかと思います。その根本を解決することが1番大事です。
交感神経と副交感神経は1日の中でどちらかにスイッチが入っている。どちらかに偏りすぎないために心身を安定させましょう。
現代社会での理想 | 交感神経 6:4 副交感神経 |
人間の体に最も良いとされる比率 | 交感神経 4.5:5.5 副交感神経 |
今すぐにでもできる方法は、正しい呼吸をすることです。まずは背筋を伸ばしてください。呼吸が浅くなっていると、交感神経が優位になってしまいます。深く、お腹を動かしながら、5秒吸って、10秒かけて吐いてください。これを4回繰り返すだけで、身体がリラックスできます。
好きな音楽を聴いて休むのも有効です。好きな音楽、クラシック音楽、自然の中にいるようなヒーリングミュージックも良いですね。一定のリズムは、人をリラックスさせる効果(快)があります。子守唄で子供は眠りますよね?歌のリズムと一緒に、一定のリズムで頭を撫でてあげると、より一層リラックスしてぐっすり眠ってくれます。一定のリズムを「快」と感じるのは子供も大人も一緒なのです。
アロマなどが好きな方は有効です。さらに、好きな音楽を聴きながら、香りも楽しめば五感でリラックスができます。
筋肉が弛緩 → 血管が拡がり血流が良くなる → リンパの流れが良くなる → 疲労物質が流れでる。という好循環を生み出します。
症状が長く続くときは、病院で一度診察してもらいましょう。万が一、重大な病気が隠れている場合もあります。仕事をするにも、体が資本です。自己判断せずに自身の体を労ってあげてください。
自律神経を整えるためには、基本的には日々の生活習慣を見直すことが最善です。自律神経の乱れによる不調は、さらなる不調を招き、負のスパイラルに陥ってしまうことも少なくありません。
逆に、自律神経が正しく整えていれば、悪いことがあったとしても、しっかり毎日リセットすることができます。そうすれば負のスパイラルに陥ることもないですし、逆にプラスのスパイラルを乱すような生活にできるでしょう。現代では、忙し過ぎにより交感神経ばかりが優位になってしまう人も少なくありません。
WELLNEST では、独自の『交流分析診断』の中で、自律神経チェックの項目も含まれています。交感神経の状態と副交感神経の状態を 10 段階にわけ、それぞれの値から、総合評価の状態を出します。
以下のページの【交流分析診断web簡易版】を受けると、自律神経テストの簡易版を受けることができます。
自律神経は、基本的には生活のリズムを整えることが一番大事です。食事のリズム、睡眠のリズムを見直してみてください。朝は太陽の光で目覚めてリセットします。ONの時とOFFの時のメリハリを意識してください。
また、ストレッチ、アロマ、音楽なども自律神経を整えるのに役立ちますので、自分なりに合う方法を見つけることが大事です。