健康には、身体的だけでなく、社会的要因も関わります。
日本では、憲法により国民は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有し」ています。
しかしそれが当たり前になっていないでしょうか?世の中には、健康は個人の力だけではどうしようもない事例もあります。ここで紹介するのは「どうしてジャクソンは病院にいるの?」という海外の寓話です。
どうしてジャクソンは病院にいるの?
それは、彼の足に悪い病気があるからだよ。
どうしてジャクソンの足には悪い病気があるの?
それは、ジャクソンが足を切ってしまって、そこから悪い病気が入ったんだよ。
どうしてジャクソンは足を切ってしまったの?
それはね、ジャクソンが、アパートのとなりのがらくた置き場で遊んでいたら、足を滑らせた先に、尖ったギザギザの金属があったからなんだよ。
どうしてジャクソンはがらくた置き場に?
それはね、ジャクソンが荒廃した地域に住んでいるからだよ。
そこの多くの子供はそういった場所で遊ぶし、だれもそれを監督していないんだ。
どうしてそういう場所にすんでいたの?
それはね、ジャクソンの御両親が、より良い場所に住む余裕がないからさ。
それはどうして?
なに、ジャクソンの御尊父はお仕事がなくて、御母堂は病気だからね。
お父さんにお仕事がないって、どうして?
うん、ジャクソンの御尊父は多くの教育は受けていないんだ。それで仕事がね。
それはどうして?…
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どう感じましたか??
個人や集団の健康は、個人では管理できない状況もあるのです。つまり、様々な社会的要因が健康に関わりあっているのです。
世界保健機関では、健康の社会的要因に関する意識向上のために、ソリッドファクツ(根拠のある事実)を10の要因で、公表しています。
ソリッドファクツでは、先進国の資料に基づき、開発途上国ではそのことを考慮すべきであるとしています。
健康と一言にいっても、様々な要因が関わりあっていることがわかります。
上記の項目だけでも、日本も無関係でないことがわかると思います。個人の力や考えでは動かすのが難しい問題ですが、知っているのと知らないのとではその意味が違います。社会も、1人の人の集まりですから、一人一人の考え方が大事なのです。