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住環境を、体にストレスを溜め続ける環境にするのか、体を癒してくれて、毎日疲れをリセットできる環境にするのかは、あなた次第です。
昔はこんなにアレルギーの子は多くなかったのに、、、と思っている親御さんも多いのではないでしょうか?実際に日本ではアレルギーやアトピーなどの疾患を持つ子どもは増加傾向にあります。
子どものアレルギーやアトピーなどの疾患は、2013年の文部科学省の調査によると、9年前から12万人の増加で、全児童・生徒の4.5%にも上ります。
『食物アレルギーの児童生徒45万人 9年で12万人増』日経新聞http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1601A_W3A211C1MM0000/
いくつかの、原因と考えられている要素としては、
①食べ物:農薬、食品添加物などの影響
②衣料:化学繊維のものが増えたから
③住居:シックハウスなど
様々な要因が絡み合っているため、1つに特定することはできませんが、上記の生活習慣を改善することで予防することはできるのではないでしょうか。また、ある大規模な調査では多くの症状に対して改善効果が見られました。
近畿大学建築学部学部長・岩前篤教授による3万5000人を対象にした調査の結果によると、新築の高断熱高気密住宅の引っ越した人の中で、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、関節炎、アレルギー性鼻炎など15の諸症状について大幅な改善が見られたというデータが出ています。
その中でも、省エネ等級4以上など、より断熱効果の高い住居に引っ越した人ほど、改善効果が高い結果となりました。
回答者は、30代~40代の働き盛り世代とその子ども世代である10代までの男女が中心です。 (http://dannetsujyutaku.com/serial/column/1_index/1_02)
ではなぜこのような結果が得られたのかというと、岩前教授の見解では、住宅が暖かくなることで着衣量が減るからだそうです。現代では化学繊維の衣服が増えたことでその影響を軽減できること、そして着衣量自体が減ることで身体への小さなストレスの積み重ねが減るためです。
皮膚が衣類から受けているストレスというのは思いの外大きく、現代衣料の化学繊維やウール、ゴムなど、肌を刺激しやすい素材でできている物が多いです。オーガニックな自然素材でできた衣類を着用するか、着衣量を減らせるような住環境にすることがポイントですね。
また、基礎体温の上昇も改善に寄与していると考えられます。現代の子どもには体温異常であったり、低体温の子どもが増えています。低体温はアレルギー発症などとの関連性も指摘されています。
部屋と部屋の温度差は、血管や脳に負担がかかり、知らず知らずのうちにもストレスがかかり、基礎体力を奪っていきます。逆に室温が一定になれば、基礎体力が失われにくくなり病気の発生率も低くなると考えられています。温度の差をなくすバリアフリーは、高齢者のみならずお子様にとっても健康を保つ住環境の重要な要素の一つと言えます。
充実した1日の活力のために、質の良い睡眠は欠かせません。布団の中の最適な環境は、32〜34℃、湿度40〜60%と言われています。もちろん、室温25℃、湿度60%の維持も、できる限りしておきたいですよね。
温湿度を管理することによって、寝具の衛生対策にもなります。布団のケアをしておきたいのは、ダニ対策です。ダニは高温に弱いので、スチームアイロンなどが効果的です。その後、掃除機でダニの死骸等を取り除きます。
布団の中はダニにとっても理想的な環境です。日中はしっかりと乾燥させておきましょう。
環境省では、省エネのために、夏場のエアコンの設定温度を28℃にするように呼びかけています。夏場に28℃設定というと暑そうなイメージもしますが、湿度によって不快感は変わるのもです。
健康に良い湿度は、40%〜60%と言われており、室温が28℃の場合は、湿度45%で不快指数75、10人いたら一人だけが不快に感じる環境です。せめてこのくらいは保ちたいですね。それ以下の湿度だと、より快適に感じる人が多くなります。
不快指数は温度と湿度がわかれば、簡単にweb上で計算するソフトも利用できます。部屋の温湿度調整のご参考にしてみてはいかがですか?
最近では温度だけでなく湿度も調整してくれるエアコンもあるので、住環境を整えるのには有効ですね。
部屋の環境による様々な疾患への影響や、子供への影響は毎日の小さな積み重ねで結果は大きく変わります。家は外から帰ってゆっくりくつろぐ「巣」であると私たちは考えています。この記事が安心で快適な住環境のお役に立てれば幸いです。