教育界ではよく知られている「9歳の壁」、「10歳の壁」、または「小4の壁」とも呼ばれているものがあります。弊社代表の芝山も教師時代に現場で目の当たりにしていました。これは思春期前の成長の壁であり、親にとって悩みが起きやすいタイミングでもあります。
9歳〜10歳は、個人差もありますが、思春期(第二次性徴期)手前の時期です。この時期の児童は「ギャングエイジ」とも呼ばれます。「ギャング」とは、仲間やチームを意味する言葉で、この頃から親や大人よりも友達同士との関係性を大切にしようとするためです。
グループ意識が強くなり、その一方仲間外れが起こり始める場合もあります。また、秘密基地を作って遊んだりもします。自我が強くなってきて起こる傾向ですが、大人へ向かうために必要な成長過程です。
この過程で起こることに、以下のようなことがあります。
抽象的な思考力が強くなってきて、勉強のレベルも上がります。そのため小1〜2年は、ほとんど学力に差は目立ちませんが、この頃から差が出てきます。
自分自身を客観的に認知できるようになってきます。いわゆる「メタ認知」と言う言い方もされます。そのため周りの目などが気になり出します。何も気にせず振舞っていた頃から大人へのステップアップでもありますが、気にし過ぎてしまうのは良くありません。
上記の2つの事と繋がっているのですが、小4くらいから手を挙げる子が激減します。そして、この時期から挙げなくなると、ほぼずっと挙げなくなります。
そもそも勉強が分からなくなってくるという理由と、間違えると恥ずかしいからチャレンジしない、という理由です。
他にも、答えに自信があったとしても、「積極的に手を挙げて答えを発表する。」という行動自体が恥ずかしかったり、わざわざ目立ちたくないと思っている子もいます。
心理的に自我が強くなっている時なので、自分で考えて主体的な行動をすることがあります。そのため問題を起こすことも。。。男の子なら反抗的な行動を起こしたり、女の子ならグループ意識からくる友達関係の問題などです。
そのような時の対応はとても大切です。子供から大人への発展途上なので、押さえつけ過ぎてもいけませんが、目は離さないことです。この時期の心はとても繊細です。観察して、表情や行動がいつもと違うようであれば、話を聞いてみましょう。
間違えるのは悪いことではない事を、理解させてあげましょう。しかし、親のいう事が絶対ではなくなり友達の繋がりが大事な年頃。愛情を持って、時には待ってあげることも大事です。子供を良く観察して状況や個性に応じた対応が必要になります。