糖質制限や食事制限は不安?その効果とは

糖質制限や食事制限は不安?その効果とは

現代病を避けるための食事制限とは


がんや糖尿病、心筋梗塞などの現代病の原因の一つとされているのが、生活習慣の乱れー中でも食生活は便利になった代償として、肥満率は高まりました。

そして最近話題になっているのが「糖質制限」だったり「食事制限」です。3食しっかり食べていればそれが逆に不健康なんではないかと不安になると思いますが、やはり適度な食事量はあるようです。

裕福であるがための病

Laura Schmidt 氏(カリフォルニア大学教授)は、砂糖の過剰摂取はアルコールの過剰摂取と同じように体に悪く、アルコールのように税金をかけるべきと指摘します。

現代人に多い慢性疾患は、酒、タバコ、ジャンクフードだけでなく砂糖にも原因があり、専門家の間では人々を肥満にさせる「empty calories (空のカロリー)であると言われています。

[voice icon=” /wp/wp-content/uploads/2018/02/sayuri.png” name=”芝山さゆり” type=”l”]この50年で世界の砂糖摂取量は3倍になったそうです。それと同時に肥満率も急上昇しました。これほどたくさんの砂糖を摂取するようになったのは、歴史的にはほんの最近という事になります。

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(参照 :CNNニュースhttp://edition.cnn.com/2012/02/01/health/opinion-regulate-sugar-alcohol/index.html)

血糖値の急上昇を防ぐために

ダイエットや美容、健康被害リスクを下げるためにも、血糖値の急激な上昇をさせる食生活は控えるべきです。

食べる順番を変える野菜から食べると太りにくくなるという話を聞いたことがありませんか?野菜などに含まれる食物繊維には、腸内で糖質の吸収を緩やかにする事で、血糖値の上昇を防いでくれます。野菜や果物を先に食べる方法は、消化の点からも健康的になれます。

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脂質が最も血糖値を上げにくい脂質は三大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)の中で最も消化に時間がかかり、 急激な血糖値上昇をさせません。しかし、肉や乳製品に多い飽和脂肪酸も、多すぎると逆効果なため、肉よりも魚を、そして揚げ物は控えめにしましょう。

(参照:http://www.club-dm.jp/prevention/hyperglycemia_006.html)

では糖質はやはり制限した方が良いのでしょうか?しかし、糖質は、3大栄養素の一つ(糖質、タンパク質、脂質)です。糖質は、穀類にも、野菜にも、お肉にも含まれているので、食材に含まれる自然な糖質を摂ることをオススメします。体への吸収がゆっくりと進むので、血糖値は急激に上昇しないためです。

糖質制限による効果とは

健康のため、ダイエットのため、糖尿病改善などのために、糖質制限をしている人があなたの周りにもいませんか?近年話題になっている糖質制限とは、どのような食事方法なのでしょうか

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厚生労働省が3年ごとに実施している「患者調査」の平成26年調査によると、糖尿病の総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は、316万6,000人で、前回の調査よりも46万人以上増加しました。

また、食事制限プログラムが流行するなど、健康に対する大衆意識が高まったことも糖質制限が話題になる背景にあると考えられます。

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糖質をどのくらい普段摂っているのか

糖質はエネルギー源であり、グリコーゲンに貯蔵されます。

  • 単糖類:ブドウ糖、果糖
  • 二糖類:ショ糖、乳糖、麦芽糖
  • 少糖類:オリゴ糖
  • 多糖類:でんぷん、ペクチン
  • ムコ多糖類:アロエ、オクラ、納豆、山芋などに含有
  • 糖アルコール:キシリトール、エリスリトール

そして、普段の食事に含まれる糖質の量はこんなにあります。普段主食として食べているご飯やパン、麺類の糖質を角砂糖で換算した表です。白ご飯が角砂糖14個分というのは驚きですね!

糖質(g) 角砂糖換算(個)
白米(1膳 150g)  56  14
パン(1枚) 35 9
うどん(1杯 200g) 42 10.5
そば(180g)  43 11
スパゲティ(200g)  54 13.5
カレーライス(250g)  75 19

口には砂糖のように甘く感じなくても、米や小麦などのでんぷんは、消化されてブドウ糖になります。ブドウ糖が小腸で吸収されると、すい臓から「インスリン」というホルモンが出て、筋肉や肝臓にあるグリコーゲンに貯蔵されます。

糖質が太る理由グリコーゲンに貯蔵できないほどのブドウ糖が体内に入ってくると、今度は「脂肪細胞」に貯蔵され始めます。これが、糖質を取り過ぎると太る仕組みです。

糖質中毒とは

インスリンはを血糖値を下げる役割も果たします。ご飯やパンなどの高糖度の食事を摂取すると、一時的に血糖値が大きく上昇し、脳からはドーパミンが分泌し、「幸福感」を感じます。

次に、血糖値が上がったためにインスリンが分泌されると、血糖値が下落します。すると、今度は血糖値が下がりすぎて、糖不足の状態になります。同時にドーパミン量も減少し、ドーパミンの禁断症状が起こります。禁断症状とは、イライラ、抑うつ感、意欲低下、思考力低下などが起こります。

するとさらに高糖度の食事を摂りたくなり、摂取すると、、、

→血糖値上昇&ドーパミン分泌(幸福感) → インスリン分泌(血糖値&ドーパミン減少)

→ドーパミン禁断症状 →高糖度の食事

このようなサイクルに入ると、糖質に依存する体質になります。さらに、インスリンを大量に分泌することに身体が慣れてしまうと、次第にインスリンへの抵抗力ができてしまいます。これは糖尿病にも繋がる原因になります。

糖質制限食は、海外でも研究が進められています。

アメリカ糖尿病学会では、2013年の発表では、2年までの短期間に全エネルギーの40%未満を炭水化物とする穏やかな低炭水化物食が推奨されましたが、2014年の勧告では、血糖値コントロールには炭水化物カウント法などが重要だとされたが、カロリー源としての炭水化物・タンパク質・脂肪の最適なバランスは存在せず、個人個人の食生活や好みに合わせるべきだとされました。

イギリスや、スウェーデンでも、糖質制限に関する研究は進められています。

糖質制限が、必ずしも健康に良いことや、ダイエットになるかは個人個人の体質も関係してくると思われますが、過剰摂取を抑えるという意味では、有効かもしれません。

糖質が気になっている方は、普段の食事でどれだけの糖質を摂っているかを、意識するところから初めてみては、いかがでしょうか?

食事量(カロリー)を制限することのメリット

「〇〇制限ダイエット」のような食事方法は、現代には様々な種類、情報があふれています。

ある特定の食べ物を推進している方法もあれば、全体的に食べる量を減らすことで、健康を保っている人や、カロリー制限と健康についての研究結果もあるようです。

1日1食主義の経営者

日経Gooday 2017年2月6日のオンライン記事では、星野リゾートの星野代表の記事が掲載されています。

(参照:http://style.nikkei.com/article/DGXMZO12350870R30C17A1000000?channel=DF140920160927)日経Goodayより

観光リゾート業界の第一線で活躍されている経営者の健康管理はどのようなものなのでしょうか。

年齢が上がるにつれて、誰でも基礎代謝が落ちていきます。

そこで星野代表は、1日1食の食事制限をすることで、高いパフォーマンスを維持し続けているといいます。

夕食のみを摂り、その時には好きなものを食べ、デザートも食べ、お酒も飲んでいるそうです。

1日3食で内臓が疲れる?

1日1食にしてからは、体重も血圧も落ち、問題が解消されているそうです。

1日1食だけにすると、消化が早まり逆に太りやすいという話も聞くことがありますが、

  • 逆に消化スピードが早いのは、効率が良いということ
  • 総摂取カロリーを減らすことの重要性

これらの点について、星野代表は言及しています。

カロリー制限は霊長類の老化を遅らせる

2009年のScience誌に掲載された、アメリカで20年間にわたって行われた、アカゲザル(7歳〜14歳)のカロリー制限の実験の話です。カロリー制限をすると、疾患の減少、老化を遅らせることが示されています。

実験概要

この実験は、ウィスコンシン国立霊長類研究センターで1989年に開始されました。アカゲザルの平均寿命は約27年で、最大寿命は約40年です。アカゲザルの「カロリー制限グループ」では、毎月10%ずつ減らし、30%カロリーを減らした食事で、その後も続けていました。

「比較対照飼料グループ」ではカロリー制限をしませんでした。その結果、、、

カロリー制限した猿は、糖尿病、癌、心臓血管疾患、および脳萎縮の発生率を減少させた。これらのデータは、カロリー制限が霊長類の老化を遅らせることを示している。参照:http://science.sciencemag.org/content/325/5937/201
「Science」より

なんと、カロリー制限をすると、老化を遅らせ、各疾患も減ったそうです。

実験結果は、猿の見た目からも伺えます。カロリー制限グループは、目力もあり、毛並みも良く、体型も若々しいです。

 

A、Bは典型的な食事をした猿の写真。

C、Dはカロリー制限をした猿の写真

 

 

ーanimals on CR appeared subjectively younger than controls (Fig. 1, A to D)ー(カロリー制限をした猿は主観的に若そうに見える(図1,A〜D)。)

老化による病気の減少

図Bは、加齢に伴う病気(糖尿病やがん、心血管疾患、脳萎縮など)からの生存率、

図Cは全体の(麻酔、胃の膨満、子宮内膜症、および傷害の合併症などの加齢とは関係のない死因を含む)生存率です。

赤いグラフがカロリー制限(Caloric Restriction)、青いグラフが制限していないグループです。

 

カロリー制限をしていないグループで、

38匹中14匹が加齢に関連する病気で死亡したのに対して、

カロリーを制限したグループで加齢に関連する病気で死亡したのは38匹中5匹だけでした。

カロリー制限をした猿の生存率が上がったのは、サーチュイン遺伝子、別名「長寿遺伝子」が刺激されたためと言われています。

それも長生きしただけでなく、肌もハリがあり、性機能も衰えにくかったということです。サーチュイン遺伝子は、人間も持っています。

小食は健康の秘訣?

人間とアカゲザルは同じではありませんが、小食が疾患の予防、健康増進になる可能性はあるのではないでしょうか。

小食にして、腸の中をデトックスするだけでも、代謝機能が活発になり、肌ツヤが良くなったり、体調が良くなることが期待できます。

日頃食べているものや、ついついつまんでしまっているもの、、、ついつい食べ過ぎてはいませんか??今の摂取カロリーを見直してみることが、健康への第一歩かもしれません。

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