「クリミアの天使」と呼ばれたナイチンゲールは、今や世界の偉人の一人として数えられています。
ナイチンゲールと聞くと看護師として一生を捧げたようなイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。ナイチンゲールは看護師のみならず、著述家、科学者、統計学者、病院建築家、社会改革者と、様々な側面を持ち合わせた偉人なのです。
そんな彼女が特に力を入れた健康的な住環境のポイントは、「換気」と「保温」でした。
ナイチンゲールの著述によると、汚れた空気とは
①酸素量が少なく炭酸ガスが増えている空気
→ 現代においては、環境基準を大幅に超えた大気汚染物質などが汚れを形成しています。
②室内の病原微生物やホコリや汚れから発生する有機物により汚れた空気
→ 室内にある臭気を放つものは全て、それらの臭気を、人が吸う空気に発散させています。部屋干ししている洗濯物も汚染源になり得ます。
③人間が発生する汚れで汚染された空気
→ 呼気や便がこれに当てはまります。
ナイチンゲールは、機械による換気に頼り過ぎず、自然の外の空気を取り入れることと、窓は下部ではなく上部を開けることを提唱しています。下部を開けると室内が冷えやすくなるためです。また、病人が、吹き抜ける空気に直にされされることのないように気を配るように指摘します。
換気は重要ですが、部屋の温度まで室外と同じに冷やす必要はありません。暖かくして快適に保つことが重要です。室温は24℃前後が理想的です。特に病気で衰弱している患者は、体熱の生成がうまくできず、自力で体温を保つことが難しいです。
冬場は、首回りや足、お腹周りを温めます。食事は身体を温める食べ物を摂り、内臓から温めてください。適度の運動も、熱生産を高め、筋肉からの発熱を促します。
人間は、肺と皮膚から24時間で少なくとも1.7リットルの水分を排泄していると言われます。その水分には、すぐにでも腐敗を始める有機物が含まれ、寝具や寝衣には汚れが染み付いています。
汗や皮脂、垢やフケなどの老廃物が全て寝具に溜まっていくのです。寝衣はできれば毎日、シーツやカバー類も、週1回は交換するように提唱されています。
ナイチンゲールは部屋の環境を保つためには壁の清潔を保つことも重要だと言っています。もっとも不潔なのは、壁紙を貼った壁です。壁の汚れを放置し続ければ、換気をしても部屋の空気は常に汚染された状態になり、カビ臭い部屋になってしまいます。
壁紙の壁の張替えなど、メンテナンスを怠らないようにしましょう。
ナイチンゲールは「住居の健康」を左右する条件として、①清浄な空気 ②清浄な水 ③効果的な排水 ④清潔 ⑤陽光 の5つを挙げました。
19世紀当時のパリの病棟は、換気への配慮もなく、多くの患者を収容することだけを目的とした病棟でした。これを見たナイチンゲールは、住環境を変えることで感染症を予防したり、回復を早めたりできると考えました。そうして出来上がったのが聖トマス病院のナイチンゲール病棟です。
各階で、病棟内に仕切りをつけて、多くの病室を作らずフロア全体を一つの部屋にしました。そして患者一人一人に新鮮な空気がいきわたるように、全てのベッドを窓際に配置。窓は両面の壁に付いているので、換気と採光がしやすい間取りにしました。
「病人が求める一番のものは新鮮な空気。二番目は陽光です。」とナイチンゲールは言います。陽光には、
などがあり、健康の維持や病気の治療に欠かせない条件と言えます。陽光によって、体が本来持つ機能が活性化し、自然治癒力を高めてくれるのです。
19世紀の病棟は、不潔の巣窟のような場所であり、院内で感染症にかかって命を落とすようなケースもありました。入院患者は下層階層の人々で、そこで働く看護師も、まともな教育を受けていない下層の人々でした。そこで独自の看護の研究を重ねたナイチンゲールが、看護の定義を明らかにし、数々の著書も執筆しながら世の中に正しい看護を広めていったのです。
その中でも、病棟や、住居の環境についても健康への影響が大きいことを提唱しました。
現代では、排気ガスや放射性物質等の大気汚染や、電磁波や化学合成物質などの社会毒が蔓延しています。それらを防ぐためにも、住環境の改善は、人間が健康的な生活を送るためには、必須の条件です。
高断熱高気密による温度、湿度の管理の仕方で、健康に与える影響は大きく変わってきます。人生の内、食事、睡眠、団欒などの長い時間を過ごす住居の環境は、毎日あなたの体に影響を与えています。
住環境を、体にストレスを溜め続ける環境にするのか、体を癒してくれて、毎日疲れをリセットできる環境にするのかは、あなた次第です。
昔はこんなにアレルギーの子は多くなかったのに、、、と思っている親御さんも多いのではないでしょうか?実際に日本ではアレルギーやアトピーなどの疾患を持つ子どもは増加傾向にあります。
子どものアレルギーやアトピーなどの疾患は、2013年の文部科学省の調査によると、9年前から12万人の増加で、全児童・生徒の4.5%にも上ります。
『食物アレルギーの児童生徒45万人 9年で12万人増』日経新聞http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1601A_W3A211C1MM0000/
いくつかの、原因と考えられている要素としては、
①食べ物:農薬、食品添加物などの影響
②衣料:化学繊維のものが増えたから
③住居:シックハウスなど
様々な要因が絡み合っているため、1つに特定することはできませんが、上記の生活習慣を改善することで予防することはできるのではないでしょうか。また、ある大規模な調査では多くの症状に対して改善効果が見られました。
近畿大学建築学部学部長・岩前篤教授による3万5000人を対象にした調査の結果によると、新築の高断熱高気密住宅の引っ越した人の中で、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、関節炎、アレルギー性鼻炎など15の諸症状について大幅な改善が見られたというデータが出ています。
その中でも、省エネ等級4以上など、より断熱効果の高い住居に引っ越した人ほど、改善効果が高い結果となりました。
回答者は、30代~40代の働き盛り世代とその子ども世代である10代までの男女が中心です。 (http://dannetsujyutaku.com/serial/column/1_index/1_02)
ではなぜこのような結果が得られたのかというと、岩前教授の見解では、住宅が暖かくなることで着衣量が減るからだそうです。現代では化学繊維の衣服が増えたことでその影響を軽減できること、そして着衣量自体が減ることで身体への小さなストレスの積み重ねが減るためです。
皮膚が衣類から受けているストレスというのは思いの外大きく、現代衣料の化学繊維やウール、ゴムなど、肌を刺激しやすい素材でできている物が多いです。オーガニックな自然素材でできた衣類を着用するか、着衣量を減らせるような住環境にすることがポイントですね。
また、基礎体温の上昇も改善に寄与していると考えられます。現代の子どもには体温異常であったり、低体温の子どもが増えています。低体温はアレルギー発症などとの関連性も指摘されています。
部屋と部屋の温度差は、血管や脳に負担がかかり、知らず知らずのうちにもストレスがかかり、基礎体力を奪っていきます。逆に室温が一定になれば、基礎体力が失われにくくなり病気の発生率も低くなると考えられています。温度の差をなくすバリアフリーは、高齢者のみならずお子様にとっても健康を保つ住環境の重要な要素の一つと言えます。
充実した1日の活力のために、質の良い睡眠は欠かせません。布団の中の最適な環境は、32〜34℃、湿度40〜60%と言われています。もちろん、室温25℃、湿度60%の維持も、できる限りしておきたいですよね。
温湿度を管理することによって、寝具の衛生対策にもなります。布団のケアをしておきたいのは、ダニ対策です。ダニは高温に弱いので、スチームアイロンなどが効果的です。その後、掃除機でダニの死骸等を取り除きます。
布団の中はダニにとっても理想的な環境です。日中はしっかりと乾燥させておきましょう。
環境省では、省エネのために、夏場のエアコンの設定温度を28℃にするように呼びかけています。夏場に28℃設定というと暑そうなイメージもしますが、湿度によって不快感は変わるのもです。
健康に良い湿度は、40%〜60%と言われており、室温が28℃の場合は、湿度45%で不快指数75、10人いたら一人だけが不快に感じる環境です。せめてこのくらいは保ちたいですね。それ以下の湿度だと、より快適に感じる人が多くなります。
不快指数は温度と湿度がわかれば、簡単にweb上で計算するソフトも利用できます。部屋の温湿度調整のご参考にしてみてはいかがですか?
最近では温度だけでなく湿度も調整してくれるエアコンもあるので、住環境を整えるのには有効ですね。
部屋の環境による様々な疾患への影響や、子供への影響は毎日の小さな積み重ねで結果は大きく変わります。家は外から帰ってゆっくりくつろぐ「巣」であると私たちは考えています。この記事が安心で快適な住環境のお役に立てれば幸いです。
室内環境は、「健康」と「生産性」という2つの面において、人生を大きく左右します。
まず日本では、部屋の温度差による健康被害があまり広く知られていません。特に、寒い冬に気をつけたいのが「ヒートショック」。さらに、「仕事の効率を上げるために室内環境に投資する」という考えも、欧米に比べると浸透していないようです。
2000年にWHO(世界保険機関)が初めに提唱したのが「健康寿命」。健康寿命が「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。寿命までの残りの期間は、「健康ではない期間」ということになります。
日本の平均寿命と健康寿命の差は、男性が約9年(平均寿命80歳、健康寿命71歳)、女性が約12年(平均寿命86歳、健康寿命74歳)です(厚生労働省「厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会資料」(平成26年10月)より)。
平均寿命 | 健康寿命 | 差 | |
男性 | 80.21歳 | 71.19歳 | 9.02年 |
女性 | 86.61歳 | 74.21歳 | 12.40年 |
死の直前まで元気でいること、いわゆるピンピンコロリでいるためには、健康寿命を伸ばすことが大事です。WHOでは、「ジャカルタ宣言」で健康を規定する13個の要因をあげています。
まず第一に重要なのが「平和」。その次に「住居」をあげています。健康を保つためにいかに住居が重要視されているかが示されています。
その住環境についての中でも、化学物質、ダニ、カビ、ハウスダスト、窒素酸化物などの空気の汚染問題、結露やヒートショックなどと繋がる温熱の問題があります。
その中でも特に重要なのが住居の温熱環境です。以下の図は「高気密・高断熱住宅への転居と有病割合の関係」を示した表(伊加賀俊治、江口里佳、村上周三、岩前篤、星旦二ほか:健康維持がもたらす間接的便益(NEB)を考慮した住宅断熱の投資評価、日本建築学会環境系論文集、Vol76,No.666 2011.8)です。
転居前 | 転居後 | |
アレルギー性鼻炎 | 28.9% | 21.0% |
アレルギー性結膜炎 | 13.8% | 9.3% |
高血圧性疾患 | 8.6% | 3.6% |
アトピー性皮膚炎 | 7.0% | 2.1% |
気管支喘息 | 6.7% | 4.5% |
関節炎 | 3.9% | 1.3% |
肺炎 | 3.2% | 1.2% |
糖尿病 | 2.6% | 0.8% |
心疾患 | 2.0% | 0.4% |
脳血管疾患 | 1.4% | 0.2% |
表を参照すると、すべての項目において、高断熱高気密住宅に転居すると疾患が改善していることがわかります。それだけ、住宅の温熱環境と疾患には関係性が不快と言えます。
ヒートショックとは、急激な温度変化によって起こる健康被害の一つです。冬場の入浴時に特に多く現れます。
1年間で、交通事故による死者数のおよそ4000万人に対し、入浴中の事故死者数は1万4000人と、交通事故の約4倍にのぼります。
急激な温度変化により、血管の収縮と拡張が繰り返され血圧が変動し、血管や脳に負担がかかります。突然のめまいや身体の痛み、頭痛。さらには、失神や心筋梗塞、脳梗塞、不整脈を引き起こす恐れもあります。
ヒートショックは冬場に最も多く、被害者数は12〜1月は、最も少ない8月の10倍にのぼります。暖房で暖められた部屋(24℃)から、寒い廊下を通り、脱衣所で服を脱ぎ、また暖かい湯船に浸かるまでに、血圧が大幅に上下します。
寝ていてトイレに起きた場合も当てはまります。暖かい布団の中から、寒い廊下、トイレへ行く時も血圧に負担がかかり、これがヒートショックを引き起こす要因になるのです。
欧米においては、脱衣所や浴室、トイレ、刑務所に至るまで、18℃以上が保たれており、暖かい室内に住むのは当たり前の人権と認識されています。それに比べると、冬場、10℃以下になってしまう日本で一般的に多い室温レベルは、発展途上国レベルと言えます。人が普段いる部屋だけを暖房で温めればいいという日本と、建物自体の断熱性能を高めて全体を暖めるという欧米との、考え方の違いがあります。
ヒートショックで亡くなるのは大きな問題ですが、それ以外の若い人、女性や子供でも、身体にストレスが溜まり少なからず悪影響は出ていると言われています。若い人であろうと、他人事ではない問題です。
スマートウェルネス住宅等推進事業(国土交通省)の「断熱改修等による居住者への影響調査」から得られた結果によると、
断熱改修によって室温が上昇し、それに伴い居住者の血圧も低下する傾向が確認された。
という知見が得られています。(https://www.mlit.go.jp/common/001158517.pdf)
血圧は脳卒中や心筋梗塞とも関連が深く、高血圧の人ほどリスクは高まります。
現状では、そのような人々が、冬とても寒い家で過ごしているのです。住宅の断熱性能を高める事で、病気のリスクを軽減することができるので、これを改善するべきです。
さらに同資料の参考データによると、断熱性能の高い住宅が普及している国では、冬季死亡増加率が低いことがわかっています。最も低いのは、寒冷なフィンランド。高いのは温暖なポルトガルやイギリス、イタリアです。寒冷な国や地域ほど、住宅の性能が高くなったために、冬の死亡増加率が低いというのも、逆説的な話です。この傾向は、日本にも当てはまります。
日本では、最も冬季死亡増加率が低いのは、北海道です。断熱性能の高い住宅の普及率が、最も高いためだと言われています。
これからは、より温暖と言われていて、高断熱住宅の普及が少ない地域ほど、住宅の断熱性能を高めなければなりません。
会社の事務員も、学校の勉強も、オフィス、教室などの室内で行われます。暑すぎたり、寒すぎたりしたら集中力も持続しないことは想像に難くないでしょう。室内環境への投資は、どれだけ効果を発揮するのでしょうか。
D.Wyonの実験では、室内空気質の良否で、知的作業効率は6〜9%影響すると推定されます。作業者の賃金を考えると、室内空気改善のために投資した金額は、2年以内に回収できると報告しています。
国土交通省で、室内の環境が良くなれば、知的生産性(仕事や学習の効率)が上がるので、その経済効果を図る研究がされています。その中でも、室温が重要になるのは、事務作業や、論理的思考に影響があるといいます。
ある夏に行った実験によれば、25.7℃(わずかに適温より暖かい温度)にした場合に効率が最も良く、28℃の時は15%も効率が落ちたそうです。
ある研究では、教室環境を変化させた確認テストを用いた実験が行われました。その結果、
以上のような結果が得られました。室内の温度、空気質により、勉強や仕事の効率も変わることが示されました。室内環境を見直すことで、皆さんのお子さんの成績や、仕事の成果も、向上するかもしれません!
一般的に、オフィスコスト(人件費、賃料、通信費、その他)の中で最も大きいのが人件費です。このことから、人件費の効率を最大化することが求められています。
環境の良い空間のためには建物の省エネルギー性を高めることも現実的に重要です。ある研究では、建物に関わる投資額に対して、建物内で行われるビジネスの価値は1桁以上大きいので、その投資をビジネスの価値向上により回収するのは容易だとしています。
室内環境で仕事の生産性を上げるという考えは、これも欧米では取り入れられており、良い環境のオフィスを借りるために高い家賃を借りるという考え方が一般的になっているそうです。
生産性には、室内の温度だけでなく、照明やCO2濃度、天井の高さや窓の位置などの間取りに至るまで、多くの要素が絡みます。部屋を変えることで、子供の勉強の成績や、仕事の効率がアップするかもしれませんね!
寒くなると、常に暖房をつけていないと辛いという人も多いのではないでしょうか。エアコンの設定温度も人によって違いますが、それはエアコンの性能の違いではなく、体感温度の違いかもしれません。
エアコンやストーブに、現在の室温が表示されますが、実際の体感温度はそれだけでは決まりません。人の体は、周囲の物と、温度のやり取りをしています。これを輻射(ふくしゃ)と言います。そうすると、周囲の物の温度と、室温の平均値が体感温度になるのです。つまり、室温が20℃あったとしても、窓の表面の温度が10℃しかなければ、体感温度は15℃になってしまいます。
エアコンやストーブの設定温度は25℃、26℃以上にしないとうちは寒い!という方。窓の近くに行くとより寒くありませんか?断熱性能の高い窓や壁にすることが、根本的な解決につながります。
冬になると特に、空気の乾燥が気になりますよね。乾燥は肌の大敵ですし、インフルエンザなどの感染リスクも高まります。冬はどうしてもと、暖房を使うと湿度は下がってしまいますので、その時に加湿器も一緒に使うとします。
室温が20℃で、理想的な湿度と言われる60%にすると、12℃で結露が発生します。一般的なアルミサッシはこれ以下の温度になりがちですので、結露が発生し、部屋の湿度を奪ってしまいます。つまり、断熱性能の低い窓のサッシや壁は、除湿機の役割をしてしまうのです。
加湿器をつけながらもサッシが結露していたら、まるで穴の空いているバケツに水を注ぎ続けているようなものですよね。最近広まってきている断熱リフォームは、乾燥対策のためにも有効なんですね。
ヒートショックの問題をはじめとする健康リスク、そして子供の勉強の効率の違いなどを見てみると、室内の温度ってすごく大事なことなんですね。
「健康」や、「子供時代に勉強した頑張り」は、失ってから、時間が過ぎてからでは、二度と取り戻せないものです。そう考えると、室内環境への投資は大きなものですが、それ以上の価値を生み出すと思います。
ここで紹介したいのは、制限の厳しい食事方法でも、ダイエット方法でもありません。我慢をしてストレスがかかってしまっては本末転倒です。少しの意識の違いで、消化は改善され、身体の中から変わってくれば、一番あなたにとって適正な体型を維持できます。
酵素とは、人間のあらゆる活動の潤滑油のようなもので、健康を支えています。その中で消化酵素は食べ物を吸収しやすいような消化するための酵素で、代謝酵素は日々のあらゆる生命活動を行うために働いています。
一般的な食生活をしている人は、その1日の消化に使うエネルギーが、フルマラソン(1600kcal)以上と言われています。消化にエネルギーを使いすぎては、代謝(ターンオーバー)や、仕事や勉強に使うためのエネルギーが足りなくなってしまいます。
あなたはこれまでに、こんな経験をしたことはありませんか?
実はこれらの問題は、食べ物の食べ合わせ方が間違っているために、消化に大きな負担をかけていることが原因です。ランチ後に眠くなるのは、消化にエネルギーを取られているためです。(もしくは、インスリンインパクトの原因も考えられます。)
風邪を引いた時に、食欲が減りませんか?これは、代謝にエネルギーを使うために、消化に回すエネルギーを減らそうとしているためとも言われています。
食べ合わせを改善すれば、消化酵素の負担が減り、代謝酵素がより活発になります。代謝酵素を活発化させることによって、
このように、たくさんのメリットが期待できます。
体に優しい食習慣は、食べる順番がとても大切です。1日の中で、消化の早い果物や野菜を早いうちに食べ、ご飯やお肉、魚、乳製品を1日の仕事が終わった後にいただきましょう。
食べ物は、種類によって消化のスピードが違います。一番速いのが「果物」です。自己消化もできるので、30分ほどで胃を通過してすぐにエネルギーになります。
次に速いのが「野菜」です。1〜2時間で消化でき、自己消化もできます。炭水化物は8時間ほど、肉などのタンパク質は12時間かかります。
この時に注意して欲しいのが、消化の早い果物を、遅い物の後に食べてしまうと、胃の中で渋滞が起き、果物の消化が進まなくなってしまいます。果物を食べるときは、できるだけ胃に食べ物が溜まっていない状態で食べることで、正しい消化をしてくれます。
新鮮な果物を食べるときはできるだけ胃の中が空の状態にしてください。特に朝のフルーツは、消化のためのエネルギーをほぼ使わずに、1日のエネルギーの補給ができるので、大変オススメです。
果物の消化が渋滞しないためには胃の中を空けておかなければなりませんでした。
具体的な時間の目安としては、野菜の後は2時間、野菜+炭水化物のときは3時間、野菜+タンパク質なら4時間、野菜+炭水化物+タンパク質なら8時間ほどは空けてください。
朝ごはんを食べなければ、1日の活力が出ないと思っていませんか?実は消化にはかなりのエネルギーを必要とするので、色々なものを朝から食べてしまうと、1日のエネルギーが消化に回されてしまいます。それを強いブラックコーヒーで無理やり体を目覚めさせるよりも、消化に良いものを中心に食べましょう。
朝には新鮮なフルーツを食べると、消化にもよく、すぐにエネルギーとして使える糖分も補給することができて、活動的になれます。もしくは、午前中は人間本来のリズムでは「排泄」の時間にあたるので、無理に食べなくても良いのです。
「野菜から食べると太らない」という話を聞いたことはありませんか?ここまで読んでもらえたら気がつくかもしれませんが、それが消化を助ける食べ方なのです。
効率的に栄養を吸収し、胃の中に残留物も残らなくなります。それが結果的に適正な体重にストンと落としてくれる食べ方です。
消化するのに大きなエネルギーも時間もかかるお肉や魚などは、夕食に食べるとエネルギーを浪費しない食べ方ができます。
1日の仕事を終えてから、残っているエネルギーで消化だけに集中できる時間に食べた方が、体にとっては負担が少ないということです。
ステーキとベイクドポテトの付け合わせを食べた例を挙げます。ステーキを分解するためには、酸性の消化液を必要とします。同時にベイクドポテトはアルカリ性の消化液を求めます。これらが同時に分泌されると、酸とアルカリが接触して中和。
どちらもうまく消化が進まないことになってしまいます。結果として消化不良や、胸焼けをする、といったことが身体の中で起きているのです。ですので、加工されたたんぱく質、炭水化物は、同時に摂取することはお勧めしません。同時に食べるなら、野菜やサラダをお勧めします。
野菜や果物は、自らを消化する酵素を持ち合わせています。納豆や漬物などの発酵食品も同じように自らを消化する酵素を持っています。
さらにこれらは胃の中でも特定の種類の消化液を必要としないので、どんな食べ物と一緒に食べても消化することができます。しかし、焼くなどの加工をされたたんぱく質や炭水化物は別です。
無理のある食生活をして、ストレスがかかってしまっては逆に体にとっては負担が大きくなってしまいます。できるだけ効率的な食生活を送るために、よく聞かれる質問についてまとめました。
お酒の飲み過ぎが良くないのは周知の事ですが、コーヒーや紅茶などのカフェインも、飲みすぎると中枢システムを刺激する物質ですのであまり良い事ではありません。心臓の鼓動を速め、血管に負担がかかり様々な疾患を引き起こす原因となり得ます。
とは言っても、それは1日に数杯程度なら悪影響は低いと言えます。リラックス効果をもたらすので、嗜好品はほどほどに嗜むのが心身にとって一番良い付き合い方です。
果物の果糖は、お菓子とは違った性質の糖分ですし、正しく食べている限り(タンパク質などの直後には食べないなど)、食べたいだけ食べても血糖値を上昇させる心配はありません。果物の中の糖分は、肝臓や体に吸収される際にインスリンを必要としないので、インスリンを枯渇させたり膵臓を弱めたりする事がありません。
また、同時に果物の水分も同時にとっているので、お腹がきつくなり、白砂糖入りの菓子と違い食べすぎる事がありません。また、アミノ酸、ファイトケミカル、ビタミン、ミネラルを豊富に摂取することで満腹中枢が満たされやすくなります。
万が一食べ過ぎても、菓子の場合のような悪影響はほとんど起こりません。
朝だけは腹持ちが良いお米を食べないと力が出ないのではないかと心配される方もいます。しかし、腹持ちが良いことが、栄養が十分に摂れるということではありません。
食べ物からエネルギーを得るには、まず消化をしなければなりません。果物を空腹時に食べれば、だいたい30分以内に消化され、すぐにエネルギーとして利用されます。お米の場合は消化に3時間はかかりますから、まず3時間は仕事や勉強などの活動ではなく消化にエネルギーが使われてしまいます。
同じものを食べるにしても、食べる時間帯、順番によっては、消化にかかる負担が変わるという事をお分りいただけましたでしょうか?
厳しい食事制限をするのではなく、1日の中で食べる時間やタイミングの見極めをするだけで、体重はストンと落ちていきます。健康的な食生活を是非送ってくださいね!
『フィット・フォー・ライフ ——健康長寿には「不滅の原則」があった!』(ハーヴィー・ダイアモンド (著), マリリン・ダイアモンド (著), 松田 麻美子 (翻訳))
この記事ではエネルギーとなる3つの栄養素と、そのための身体を動かす微量栄養素、その他の大事な栄養素について説明していきます!
3大栄養素 : ①炭水化物 ②タンパク質 ③脂質
微量栄養素 : ④ビタミン ⑤ミネラル
その他 : ⑥食物繊維 ⑦ファイトケミカル
これら全てのバランスが、健康な体作りにとっては重要になります。
エネルギーの元と言われる炭水化物ですが、実は糖質の塊です。お茶碗一杯のご飯に、およそ50g、角砂糖14個分の糖分が含まれています。500mlのコーラに含まれているのが約16個なので、ほぼ、コーラと同じ量の角砂糖を摂取していることになります。ある程度は必要だけど、なかなか不足しない。
生精米と、カロリーや糖質は大きく変わらないのですが、それを補うほどの他の栄養素をたっぷりと取れるのが、玄米です。ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で、玄米だけでも色々な栄養素を摂取できます。ビタミンEは1.5倍、B1は5倍、B2は2倍、B6は3.5倍、食物繊維は6倍含んでいます。
タンパク質は人間にとって必要な栄養素ですが、私たちの体のタンパク質は、タンパク質を食べることによって作られているのではありません。食べ物の中のアミノ酸から作られています。アミノ酸には23種類の異なった種類があり、その全てが重要です。しかしこのうち15種類は体内で合成可能ですが、8種類は食べ物から補給しなければなりません。その8種類が「必須アミノ酸」と呼ばれています。これらは、果物、野菜、ナッツ類、種子類、発芽食品などから摂取していれば十分に補給が可能です。
タンパク質が消化された後は、その構成成分であるアミノ酸に一度分解されて初めて必要なタンパク質が合成されます。つまりタンパク質のアミノ酸成分の中に価値があるのです。
動物には、アミノ酸を作り上げる能力はありませんが、植物は空気、水、土からアミノ酸を製造することができます。肉食動物も、草食動物が摂取した栄養を摂取しているのです。人間の体にとっては、動物性のアミノ酸は分解して消化がエネルギーも時間もかかりますが、植物性のアミノ酸は吸収がとても楽なので、豆類などからのタンパク質の摂取をオススメしています。
本来、自然界に精製された油はないのです。また、人口トランス脂肪酸は「食べるプラスチック」とも呼ばれていて、血管を痛める原因にもなります。海外では制限がかかっている国もあります。
しかし脂質も必須の栄養素の一つです。そこでオススメするのが亜麻仁油です。不飽和脂肪酸で、必須脂肪酸であるオメガ3系のα-リノレン酸を豊富に含んでいます。しかし、加熱するとすぐに酸化してしまうので、加熱は避けてください。
森のバターとも呼ばれるほど栄養価の高いアボカドは良質な脂質で、オメガ3脂肪酸も豊富に含まれています。中性脂肪やコレステロール値の調整機能も持っています。
ビタミン・ミネラルは、3大栄養素をうまく使うための潤滑油のような栄養素です。また、食べたものをどれだけ効率的に吸収するか(バイオアベイラビリティ)を助ける働きを持っており、3大栄養素をうまく吸収するのを助けてくれます。3大栄養素と微量栄養素、どちらかが足りなくてもダメなので、バランスが大切です。微量栄養素は、野菜や果物から十分に摂取することができます
食物繊維は体内に吸収しないので、体外に出てしまうのですが、腸内の働きを助けるため、大切な栄養素の一つに数えられます。食べ合わせと消化の話やこの記事でもご紹介したように、消化は健康にとって大変重要です。それを助けてくれるのが食物繊維です。
ファイトケミカルという栄養物質をご存知ですか?抗酸化力を持った栄養素として研究が進められています。野菜や果物、豆類など、植物性食物から発見された成分です。植物は動物と違って、その場から動かずに外敵から身を守らなければなりません。そのための「抗酸化作用」や「抗菌作用」など、自己防衛のためにファイトケミカルを体内で作り出しています。
ルテイン(ほうれん草やブロッコリー、ケール等)や、ポリフェノール(赤ワイン)、カロテン類(ニンジンやかぼちゃ等)、フラボノイド(大豆等)など、その種類は数千にも及ぶと言われています。
3大栄養素 : ①炭水化物 ②タンパク質 ③脂質
微量栄養素 : ④ビタミン ⑤ミネラル
その他 : ⑥食物繊維 ⑦ファイトケミカル
以上の7つの栄養素のバランスをとって、健康的な食生活を送ってください!
体調が悪いわけではないのに、なんだかダルい、仕事に集中できない。小さなことに対しても、すぐにイライラしてしまって、そのストレスで暴飲暴食してしまう。これらの原因は、実は自律神経の乱れにあるかもしれません。
自律神経とは、体の司令塔のようなもので、心臓の動き、呼吸、食べたものの消化、血液の循環などの活動を無意識でコントロールしている、24時間働き続けているシステムです。
交感神経と副交感神経があり、それぞれのバランスを損なうことを「自律神経の乱れ」と呼ばれています。不規則な生活や精神的、身体的ストレスにより自律神経が乱れると、身体の器官などに支障をきたします。バランスを保つことが心身の健康を保つ秘訣と言われています。
交感神経心身のアクセルの役割をしており、活動時や昼間になると活発化します。交感神経が優位になると、血管が収縮して心拍数も増加、活動的な状態になります。逆に活発化し過ぎるのは、心身の休息が取れていない状態のサインです。現代人に最も多い傾向で、頑張り過ぎで、しかし結果が伴わずイライラ、ピリピリしてしまう状態です。
交感神経のアクセルが優位になると、血流が良くなく、免疫力も低下して病気等も招きやすくなります。心身ともに疲弊して無理に頑張っていても、なかなか結果に結びつかないですよね。
副交感神経心身のブレーキの役割をしており、安静時や夜間になると活発化します。副交感神経が優位になると、血管は拡張して心拍数は下がり、リラックスした状態になります。
逆に活発化し過ぎると、仕事のスイッチが入らず、のんびりした状態になります。現代人の7人に1人はこの状態にあると言われています。休めてはいますが、アクセルの踏み込みが良くないので、のんびり状態になってしまいます。このような時は注意力も低下し、ミスも起こりやすくなります。うつ病に陥りがちな傾向もあります。
体の各部位の状態は、交感神経優位の状態の時と、副交感神経優位の状態の時で変わります。
交感神経(アクセル) | 自律神経 | 副交感神経(ブレーキ) |
速い | 心臓(脈) | 遅い |
縮む | 血管 | 拡がる |
高くなる | 血圧 | 低くなる |
拡がる | 瞳孔 | 縮む |
動かない | 腸 | 動く |
拡がる | 気道 | 狭まる |
出る | 汗 | 出ない |
緊張 | 筋肉 | 弛緩 |
速くなる | 呼吸 | 遅くなる |
乱れる | 内分泌 | 安定 |
悪い | 血流(全身) | 良い |
このように、体内のあらゆる生命活動を支えているのが、自律神経です。
日々の習慣が大きな影響を与えます。仕事などを頑張り過ぎるオーバーワーク、プレッシャーなどによる不安、職場の人間関係など、様々な要因が挙げられます。また、生活リズムが不規則だと自律神経は乱れがちです。昼夜逆転生活や不規則な習慣は変えていきましょう。
食品添加物や身体の歪み、蛍光灯やブルーライトなども乱れの原因となります。本来自然界になかったものが現代社会には溢れているためです。辛い出来事や、悲しい出来事などがあった時にも注意が必要です。自分なりにリフレッシュできる方法を見つけましょう。
悪循環にハマるパターンストレス → 筋肉や血管の収縮 → リンパの流れ悪くなる → 疲労物質が溜まる → 疲労 → ストレス → ….のエンドレス
トラブルやストレスがきっかけで、悪循環にハマった時は自分なりのストレス解消を!!
自律神経の乱れによる代表的な疾患である自律神経失調症。多くの場合は、過剰な精神的、または身体的ストレスをコントロールできないために引き起こされます。吐き気や多汗、倦怠感、頭痛、不整脈、めまいや不眠症など、人によって症状の表れ方が異なるのが特徴です。
自律神経失調症の症状
神経性胃炎や、過敏性腸症候群など胃腸に関わる疾患も引き起こします。気分が塞ぎ胸焼け、胃のもたれなどの一時的な症状から、慢性的な下痢や便秘なども起こります。
過呼吸を引き起こすこともあります。運動競技により起こる症状とは違い、精神的な原因による過換気症候群と呼ばれます。四肢の痺れ、動悸、目眩等が起こります。
更年期障害は、女性ホルモンの分泌が急激に減ることで自律神経が乱れ、めまいや肩こり、頭痛、耳鳴りなど、人による症状は異なります。
うつ病は一言で説明するのは大変難しい病気ですが、脳のエネルギーが欠乏した状態であり、それによって憂鬱な気分や様々な意欲(食欲・睡眠欲・性欲)などの低下といった心理的症状が続くだけでなく、様々な身体的な自覚症状伴うことも珍しくありません。
つまり、エネルギーの欠乏により、脳のシステム全体のトラブルが生じてしまってる状態と考えることもできます。うつ病では常に交感神経スイッチが入っており、全身に力が入り深呼吸ができない、また息苦しさを感じ非常に疲れやすくなる。
あるうつ病患者は交感神経と副交感神経のバランスが94対6でほとんど副交感神経が使われていない状態でした
うつ病の症状
自律神経は、交感神経と副交感神経のバランスが重要です。健康になるだけでなく、集中力も上がるので、仕事や勉強などのパフォーマンスが上がります。元気でいて仕事や人間関係が良くなればそもそもストレスも貯めにくくなりますよね。自律神経を整えることによって、生活に良い循環を生み出すことが一番大事です。
また、過度の緊張なども良くありません。体調を崩したときや、精神的にショックな出来事があったとき、焦りや不安から逃れたいとき、日々の生活をしていればいろいろなストレスに感じることがあるかと思います。その根本を解決することが1番大事です。
交感神経と副交感神経は1日の中でどちらかにスイッチが入っている。どちらかに偏りすぎないために心身を安定させましょう。
現代社会での理想 | 交感神経 6:4 副交感神経 |
人間の体に最も良いとされる比率 | 交感神経 4.5:5.5 副交感神経 |
今すぐにでもできる方法は、正しい呼吸をすることです。まずは背筋を伸ばしてください。呼吸が浅くなっていると、交感神経が優位になってしまいます。深く、お腹を動かしながら、5秒吸って、10秒かけて吐いてください。これを4回繰り返すだけで、身体がリラックスできます。
好きな音楽を聴いて休むのも有効です。好きな音楽、クラシック音楽、自然の中にいるようなヒーリングミュージックも良いですね。一定のリズムは、人をリラックスさせる効果(快)があります。子守唄で子供は眠りますよね?歌のリズムと一緒に、一定のリズムで頭を撫でてあげると、より一層リラックスしてぐっすり眠ってくれます。一定のリズムを「快」と感じるのは子供も大人も一緒なのです。
アロマなどが好きな方は有効です。さらに、好きな音楽を聴きながら、香りも楽しめば五感でリラックスができます。
筋肉が弛緩 → 血管が拡がり血流が良くなる → リンパの流れが良くなる → 疲労物質が流れでる。という好循環を生み出します。
症状が長く続くときは、病院で一度診察してもらいましょう。万が一、重大な病気が隠れている場合もあります。仕事をするにも、体が資本です。自己判断せずに自身の体を労ってあげてください。
自律神経を整えるためには、基本的には日々の生活習慣を見直すことが最善です。自律神経の乱れによる不調は、さらなる不調を招き、負のスパイラルに陥ってしまうことも少なくありません。
逆に、自律神経が正しく整えていれば、悪いことがあったとしても、しっかり毎日リセットすることができます。そうすれば負のスパイラルに陥ることもないですし、逆にプラスのスパイラルを乱すような生活にできるでしょう。現代では、忙し過ぎにより交感神経ばかりが優位になってしまう人も少なくありません。
WELLNEST では、独自の『交流分析診断』の中で、自律神経チェックの項目も含まれています。交感神経の状態と副交感神経の状態を 10 段階にわけ、それぞれの値から、総合評価の状態を出します。
以下のページの【交流分析診断web簡易版】を受けると、自律神経テストの簡易版を受けることができます。
自律神経は、基本的には生活のリズムを整えることが一番大事です。食事のリズム、睡眠のリズムを見直してみてください。朝は太陽の光で目覚めてリセットします。ONの時とOFFの時のメリハリを意識してください。
また、ストレッチ、アロマ、音楽なども自律神経を整えるのに役立ちますので、自分なりに合う方法を見つけることが大事です。
我々が住んでいる社会は、大変便利な世の中になりました。しかしそれと同時に、数十年前にはなかった病気が激増するなどの現象が起きています。その要因と考えられているのが、少しずつ体を蝕む化学合成物質や、環境汚染です。
現代社会を生きる私たちは、気づかないうちに多くの毒を摂取する生活になっています。食品添加物、農薬、トランス脂肪酸、排気ガスなど、数えればキリがありません。
農薬の消費量は、日本は世界トップクラスです。
http://www.jcpa.or.jp/qa/a6_06.html参照
さらに、添加物の認可数も、先進国の中では突出しています。
その多くは石油精製物質であり、発がん性があり、アレルギーを誘発することもあります。
トランス脂肪酸という言葉は聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。元々自然由来のものも存在するのですが、多くの人口トランス脂肪酸は控えた方が良いです。一部の外国では制限がかけられています。例えば、カリフォルニア州とニューヨーク市では、ーレストラン等に対して、食品1人前当たりの油脂の加工由来のトランス脂肪酸含有量を0.5 g未満とする規制を設けているーことが、農林水産省のHPでも記載されています。
輸入小麦のパンを食べる際に気をつけていただきたいのが、ポストハーベストです。ポストハーベストとは、輸入小麦が長い時間をかけて輸送される間に品質を落とさないために散布される農薬です。通常畑で使用される農薬の百倍以上の濃度で使われています。またパンを選ぶ際には、臭素酸カリウムにも注意が必要です。
市販のお弁当や外食の中には、形成肉や糖分・塩分が過剰な味付けがされているものも少なくありません。さらに、プラスチック容器は油や熱によって発ガン性物質が溶け出すこともあります。もし食べる場合でも、容器を別のものに移してから加熱した方が危険性は少ないです。
フッ素樹脂加工の鍋やフライパンは、発ガン性物質を発生する危険性があるとして、アメリカやヨーロッパでは、メーカーによる自主規制が増えています。
発泡剤として使われるラウリル硫酸ナトリウムは、脱毛や毛髪の発育障害、白内障の原因、子どもの視力障害や、発ガン性物質を蓄積する作用があることが分かってきました。皮膚を通り抜ける有害物質を「経皮毒」と言います。頭皮は、腕の3倍以上の吸収率があります。
界面活性剤等の化学物質により、安価に艶や香りを出すことができるシャンプーが売っていますが、健康を選ぶなら、できるだけ無添加のものや、自然由来のものを選びたいものです。
毎日使う歯磨き粉。中には、保湿剤としてプロピレングリコールという物質が使われています。これは車のブレーキオイルや、ラジエターの不凍液にも使われています。様々な研究機関によると、赤血球の減少や、染色体異常、臓器や脳への障害を引き起こすことがあることがわかっています。
発泡剤として使われるラウリル硫酸ナトリウムは、舌の感覚器官である味蕾(みらい)が溶けてしまい、味を感じにくくなります。すぐに再生しますが、毎日続けることで、薄味に満足できなくなり、免疫力の低下や肌の老化を引き起こします。濃い味の食べ物を求めることも、健康的な食事には繋がらないでしょう。
アメリカの化学物質の歯磨き剤には、「6歳以下の子どもの手の届かないところに保管すること。飲み込んだら解毒センターに連絡しなさい。」という警告文があります。それだけ、危険性のあるものだということです。
私たちの生活環境は社会の発展とともに大きく変化しました。ガン、アルツハイマー、子宮内膜症などの難病が、最近上昇傾向にある要因の一つとも考えられています。
排気ガスや放射性物質、PM2.5など、過去にはなかった大気汚染が現代社会には溢れています。
家庭で使われる化学合成物質や、工業用水による水質汚濁、除草剤、殺虫剤による土壌汚染など、環境への問題は大きくなっています。
これらのような環境問題は、自律神経・ホルモンバランスの異常や、免疫力低下、化学物質過敏症などとの関連性があると言われています。
近年、デトックスという言葉が一般的になってきています。デトックスとは、解毒をするということ。身体の中の毒を排出することによって健康の促進、美容効果、健康的なダイエット効果などが期待できます。
現代の毒は、体の脂肪にたまります。脂肪性毒と呼ばれています。体の脂肪に溶け込み、蓄積されていきます。恐ろしいのは、人間の脳のほとんどは脂肪でできている為、脳まで侵してしまうことです。脂肪に溜まった毒を入れ替えるには、脂肪を入れ替えることが有効です。
発汗することは、脂肪性毒を抜くのにもっとも効果的な方法です。それも、時間をかけてゆっくりと、じんわり汗をかくことです。岩盤浴や半身浴、酵素風呂、砂風呂、ホットヨガなどが有効です。
断食も、有効なデトックス方法です。外からの食を断つことで、体は脂肪をエネルギーに変えて燃焼します。それと一緒に、脂肪に溜まった毒素も排出されます。
断食をする場合は、まずは朝ごはんだけを抜く、半日断食から始めるのがおすすめです。いきなり本格的に始めると、続かないですし、逆にストレスを貯めることにもなりかねないからです。
玄米に含まれるイノシトール、ガンマオリザノールは、肝臓の動きを強めます。放射性物質の中和や解毒にも効果的です。
天然のクエン酸は、化学物質や放射性物質を解毒します。添加物の入っていないものが望ましいです。
腸内細菌の働きを活発化する乳酸菌が豊富。天然塩を使ったものを選ぶ。
腸内細菌を高めます。遺伝子組み換えでない、添加物不使用のものを選ぶ。
自然の硫黄を含んでおり、放射性物質を解毒する。
10センチ角の昆布で、被曝を防ぐヨウ素剤1枚分に匹敵します。
生姜、にんにく、しそ、ミョウガなど。特にパクチーは脂肪燃焼効果が強い。
ヨクイニンに解毒作用があり、漢方薬としても使われている。
食事全体に言えることとしては、腸内環境をよくすることです。
その為には、排泄のリズムが整っていることが最重要です。腸の働きを促進する食物繊維は、栄養にはならないですが、腸の働きを高める為に積極的に摂りたい栄養素の一つです。
これらの社会汚染からの影響を、現代社会で生きる中で0にするのは不可能です。しかし、なるべく避けることはできます。
食品にしても、最近はスーパーでも健康食品を売っている割合が増えたように感じます。環境問題も世界的に取り組んでいます。少しづつでも、多くの人の意識が変わっていくことで、未来の子どもたちのために良い地球環境を残しておくことは、私たちの定めなのではないでしょうか。
どんなに高価な薬や、医療を施しても、人間が自然の一部であることは変わりません。その時に大事になるのが、食事、睡眠、運動など、基本的な生活です。
また、基本的な生活を見直すことで、病気を予防できるという考え方を私たちは持っています。
健康的な体を作る最も大事な要素は、健康的な食習慣です。食事と医療は切っても切り離せない関係にあります。薬などの対症療法で一時的に病気を治そうとしても、それは根本的な健康には繋がりません。
自然の摂理に沿った正しい食べ方こそが健康でいる秘訣です。
Whole Food(ホールフード)とも呼ばれる一物全体(いちもつぜんたい)という考え方は、食べ物の全部を丸ごと食べることが最も栄養バランスに優れていることを意味します。
例えば、多くの人が毎日食べるであろう白米は、お米が持つ栄養素のほとんどを含む「糠(ぬか)」を取り除いた状態で、栄養はほぼ糖質くらいしか残っていません。
玄米の状態で摂取できる「糠」は、「米」に健康の「康」と書くくらい理想的な完全食品です。
炭水化物、粗蛋白、粗脂肪、ビタミンEは5倍、B2は2倍、B6は3.5倍、食物繊維は6倍含みます。糠に含まれるフィチン酸やIP6には免疫力を高めたり、抗ガン作用もあることが明らかにされています。
その他にも、野菜や豆類、小魚なども丸ごと食べられて高い栄養を摂取できます。
人間の体は土地とは切り離せない関係にあります。季節のものを食べることが最も健康にとって良いのです。現代では1年中なんでもスーパーで揃ってしまいますが、旬の時期のものは栄養価も一番高く、夏は体を冷やし、冬は温めるなど、季節に対応した効能があります。
できるだけ調味料や添加物の入ったものを避けて、無添加・有機食材を使っているものなどを選びましょう。また、1口で30回以上、噛むようにしましょう。噛むほどに唾液が出ます。唾液には8種類の酵素が含まれており、解毒効果をもたらる上、抗ガン剤にもなります。よく噛むことは太りにくくしますし、脳が活性化して認知症予防にもなり良いことづくしです。
適度な運動は毎日必要です。最低でも1日20分程度のウォーキングほどの運動をしましょう。デスクワークが多い方は、出勤を自転車やウォーキングに変えるところから始めても良いかもしれません。
1日に最低6時間、できれば7〜8時間は健康のために確保したいところです。
1日24時間のうち、仕事、プライベート、睡眠が8:8:8になるのが理想的です。睡眠時間を1時間削って1時間多く仕事をこなすよりも、1時間多く睡眠をとり頭を活性化させ、2時間の仕事を1時間で終わらせる方が、効率的で健康的なリズムであることは一目瞭然ですね!
目に見えにくいですが、内因の一番深くまで関わるのがストレスです。溜め込まないためにも、心と体の休養、リフレッシュを行いましょう。ストレスを溜めてしまってからではなく、溜まる前に発散が必要です。
食べ物を食べて体には栄養が行き渡っていますが、同じように、心にも毎日、栄養を与えることが大切です。趣味や、自分なりに落ち着ける方法を見つけておきましょう。
笑うことは免疫力をアップさせ、ストレスも緩和し、人間関係もよくしてくれるので、笑顔でいることは健康にとっても大事なのです!
あらゆる人が過ごす日常生活から、健康になる方法を紹介してきました。次の記事では、現代社会を取り巻く問題について見ていきます。